ガンバ大阪のFW小野裕二(27)が、びっくり初先発を果たした。

今季サガン鳥栖から移籍し、前節セレッソ大阪戦で途中から新天地デビューを果たしたばかり。

しかし、その試合で接触プレーから左眼窩(がんか)底骨折の大けがをし、前日7日に診断結果が発表されていた。大方の予想は当面の戦線離脱だった。

だが、本人は「一応、試合後に病院で検査をして目に異常がなく、骨は少し折れていた。筋肉系のけがでもないし、医師とも話をしてフェースガードがあった方がいいということだった。ただ、練習でもやりづらさを感じてて、外してもここ(左目周辺)には当たらないだろうとやっていた」と明かし、素顔のままで強行出場。左目の周辺は腫れ、痛々しく見えたのも事実だった。

小野は「痛み自体はなくて、少し腫れがあって見づらかったが、3日目で腫れは引いて、目自体は問題はなくプレーした」と振り返った。

もちろん、宮本恒靖監督(43)も「先発は前節、鋭い動きを見せていたし、この試合でも(力を)出してもらおうと起用した」と説明し、重要な戦力として送り出した。

キックオフ直後、最初のプレーで左サイドにいた小野が相手と競り合う場面から始まった。その後も激しい肉弾戦を展開。周囲も冷や冷やしたはずだが、小野は「25年間、サッカーやってきて、ここ(目周辺)に当たることは、確率的にはないと思ってやっていた」と開き直っていた。インサイドハーフとして、無事に61分間プレーした。

最後に引き分けに持ち込んだことに、28歳は「最低限の結果。時間がたつにつれ、どんどん下がって、前への推進力がなくなって相手ペースにズルズルとなった。もう少し耐えられるようにしたい」と反省は忘れなかった。【横田和幸】