プレナスなでしこリーグで7年ぶりの優勝を目指すINAC神戸に今季加入したMF阪口萌乃(28)が、“3人目の脅威”となる。

29日はホーム開幕戦で有観客となる千葉戦(8月2日、ノエスタ)に向けて、神戸市内で調整。2試合連続の先発で連勝に貢献した阪口は「やっと次節、見に来ていただくことができる。(新型コロナウイルスの)感染者数が増えている中でサッカーができることに感謝して、思い切り、楽しくプレーしたいです」と力を込めた。

なでしこジャパンの経験を持つ28歳は、新潟から新天地に神戸を選択。攻撃的なボランチとしてプレーした2戦を終え「前のすごい2人に絡んでいきたい。前(線)にはチャンスがある。自分もシュートを打っていきたい」と満足はない。FWは代表経験が豊富な岩渕真奈(27)と日テレから加入した田中美南(26)が圧倒的な存在感を発揮。ゲルト・エンゲルス監督(63)も「いい反省ポイント。もともとオールラウンダーな選手。そういうことが分かっていていい」と阪口の伸びしろに期待を込める。

新潟時代は聖籠町の町民会館で6年間勤務。最後の1年は新潟レディースの職員として、事務作業などをこなしながらプレーした。神戸行きは自らの意思で選び「『サッカーをもっと楽しめるんじゃないか』と思った」。1年延期となった東京オリンピック(五輪)へ「できることを増やして、もっとアピールしていきたい」と誓った。

クラブは全ての関係者がPCR検査を受け、全員の陰性を確認。チケット販売中のホーム開幕戦でも感染予防対策を行い、久々にサポーターと共に戦う試合が実現する。阪口は充実感を漂わせながらほほえんだ。

「神戸はすごく住みやすいです。(コロナで)いろいろなところには行けていないけれど、海を散歩するだけで、すごく幸せを感じます。気持ちがいいです」

そんな港町でのデビュー戦。攻撃に厚みを加え、3連勝へと導く。【松本航】