5日のルヴァン杯・サガン鳥栖戦で先発し、53歳5カ月10日の同大会の最年長出場記録を更新した横浜FCFWカズ(三浦知良、53)が6日、遠征先から帰京した。

1月のグアム合宿でともに体を鍛えた同僚FW瀬沼の劇的ヘディング弾でチームは6試合ぶりに勝利。到着ロビーに瀬沼と現れたカズは「瀬沼のおかげですよ。本当にね」と賛辞を贈った。

62分のプレーの中で、決定機演出のスルーパスや惜しいヘディングシュートを放つなど多くの見せ場をつくった。サッカーへの情熱がさらに燃えるきっかけになったのは間違いない。カズは「この1試合で終わりではないのでね。これから、来週のルヴァン杯もありますし。2日後のガンバ(大阪)戦は、この中からどうなるか分からないけど、しっかり今日明日で準備して。リーグ戦にもチームとして昨日の勝利をつなげていかないといけない。昨日勝ったことで、さらに競争力が強くなるんじゃないですかね」とすぐさま前を向いた。

酷暑の鳥栖での戦いに「かなり消耗はしてる」と話すも、62分走り続けられたのはやはり練習のたまものだ。クラブの公式Youtubeチャンネルで「最近、練習はうそをつく」と笑わせたが、カズはその真意に「昔は(練習は)やればやるほど体が動いたけど、今は疲れが残ったり痛いところが出る。今はやっただけ動けるかというとそうなくなった」と説明。だが「これまで積み重ねてやってきている練習はうそをつかないと思います」と胸を張った。

チームは帰京後、すぐにクラブハウスへ向かい、8日のガンバ大阪戦に向け調整。下平監督の下、チームはキャンプ中からハードな練習を積んできた。「特に、メンバー外になったときの練習は厳しいよ。マンツーマンのゲームみたいのが多いからね」。厳しい練習も楽しむほど、サッカーへの思いは熱い。53歳のシーズンは、まだ始まったばかりだ。