ガンバ大阪はホーム横浜F・マリノス戦を1-1で引き分け、連勝は6で止まった。前半にFW宇佐美貴史(28)のPKで同点にすると、後半は王者を圧倒。決勝点こそ奪えなかったが、新人のMF山本悠樹(22)が攻守の軸となり、新生G大阪の特長を存分に発揮した。

7連勝を逃し、順位は4位から5位に後退。本来は悔しいドローのはずが、G大阪のサッカーには爽快感があった。ハイプレスが利き、こぼれ球も回収。放ったシュート数は横浜の2倍となる14本。決勝点が奪えなかったことを差し引いても、明らかにG大阪は進化していた。

宮本監督は「セットプレーやミドルシュートの精度が、もう少しあれば」と悔しがる一方で「試合を重ねるごとに、いろんなものを見せられるようになっている」と評価したのが、関学大から入団した新人MF山本だ。

前半26分の失点は、自陣で山本がボールを喪失したのがきっかけ。9試合目の先発だった22歳は「あそこで奪われてはいけない」と反省したが、後半はドリブルで仕掛け、スルーパスも連発。同26分のシュートが決まれば、間違いなくヒーローだった。

「今日は体も頭も動けた」と山本。MF遠藤がJ2磐田に移籍し、一本立ちが期待される。その状況で満点に近いプレーを披露したルーキーは「結果につなげていかないと意味がない」。山本を筆頭に、G大阪が無限の可能性を示した一戦だった。【横田和幸】