4年ぶり出場の岩見沢東が1-0で羅臼・別海を下し、93年以来27年ぶりの道大会勝利を挙げた。攻撃の要、FW柳谷雄生(2年)が前半7分に相手DFとの接触で右ほおを負傷し、途中交代。アクシデントに見舞われながら後半13分、MF奥野佑紀(1年)が先制点を挙げ逃げ切った。決勝点の奥野は「チームの助けがあったおかげ。勝利に貢献できてうれしい」と喜んだ。

進学校のため、高校総体予選が中止となった時点で3年生13人が引退。6月上旬に1、2年生チームと3年生チームで引退試合を行い送り出した。主将のDF五十嵐斗弥(2年)は前日16日、千徳優月前主将(3年)に「頑張って勝って来い」と激励を受け臨んだ一戦だった。五十嵐は「最後の大会ができずに終わった3年生のために、何とか1勝したかった」。1、2年生19人で約束を果たした。

昨春、室蘭大谷(現北海道大谷室蘭)主将として86年度の全国選手権で4強に進出した山本亘監督(52)が就任。6月の新チーム発足後「言われたことだけでなく主体性を出させたい」と選手が練習内容を考えさせる方法にシフトチェンジした。五十嵐は「自発的に声も出るようになった」。室蘭大谷や札幌北など、強豪から進学校まで幅広く指導してきた指揮官の経験値も、選手の力を引き出すきっかけとなった。

69、73年に準優勝した古豪が、新たな一歩を踏み出した。2回戦は5年ぶり優勝を狙う札幌大谷と対戦する。五十嵐は「自分たちらしく、まずは守りから入れたら」。無欲で難敵にぶつかっていく。【永野高輔】