J1リーグ戦の大阪ダービーは3日、95年5月の初対戦から数え、通算40度目の対戦を迎える。その節目にふさわしいのが、両軍の現在のチーム状態だ。

本拠地ヤンマースタジアム長居で戦うセレッソ大阪は現在4位。敵地に乗り込むガンバ大阪は2位。同じ25試合を消化し、両者の勝ち点はわずか3差。総得点は37で並び、総失点はC大阪が28、G大阪が27。2位以内が手にする今季の天皇杯出場権へ、3位以内が目安の来季ACL出場権へ、過去最もハイレベルな戦いになるかもしれない。

2日、両軍はともにオンラインで取材に応じた。この日、ルヴァン杯ニューヒーロー賞を受賞したC大阪DF瀬古歩夢(20)は「僕はトップチームでのダービーは経験していない。セレッソ一筋なので、絶対に勝たないといけない」と強気にコメントした。

G大阪FW宇佐美貴史(28)は「C大阪が上位にいると刺激になる。僕は(ダービーでは)負けが許されないということを、中学年代からたたき込まれている」と闘志を燃やす。ともに下部組織出身で、周囲から「ダービーだけは負けられない」と教育されてきた。

過去の対戦は、G大阪が23勝5分け11敗と圧倒するが、今回の会場はC大阪の本拠地。C大阪はホームでは、7勝4分け8敗とほぼ互角の成績を残しており、しかも最近2戦はホーム、アウェーで2連勝中だ。

両軍が対戦する際、その時のチーム状況に関係なく、プライドを懸けた激しい戦いになる。過去39試合、0-0のスコアレスドローが1度もないことが、その裏付けでもある。失点を恐れず果敢に攻める。1-0のスコアも7度だけ。とにかく攻めて攻めて、複数得点を狙う。後半ロスタイムも見逃せない展開が多い。

ただ今回は特にG大阪の守備が安定しており、9勝1分けの最近10試合はわずか6失点。以前から堅守が武器のC大阪と真っ向からぶつかり、その結果、史上初のスコアレスドローにつながるかもしれない。

C大阪のスペイン人、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(63)は「順位を抜きにしても、大阪ダービーが重要なのはサポーターも分かっている。自信を持って勝ちにいきたい」と言えば、宮本恒靖監督(43)は「順位ももちろん大事だが、ダービーというところが特別。前回ホームで負けているので、今回アウェーでお返ししたい」とリベンジを誓う。

C大阪によると、チケットは約1万6000枚が売れており、今季初の2万人に届く可能性もある。新型コロナウイルスに苦しむ今季、両軍による歴史に残る試合が期待される。【横田和幸】