清水エスパルスの平岡宏章新監督(51)が初陣を白星で飾った。神戸に3-1で今シーズン初の逆転勝ち。後半30分、DFエウシーニョ(30)の今季初ゴールが決勝点になった。体を張った守備でリードを守り抜き、8試合ぶりの勝ち点3。1カ月半かけてつかんだ勝利に、地元ファンが歓喜に浸った。

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勝利の瞬間、平岡監督はスタッフと抱き合って喜んだ。「勝ってピーター(・クラモフスキー前監督)さんに恩返ししようと送り出した。最後まで集中力を切らさず、全てを出して戦ってくれた」。試合中はピッチ際に立ち続け、声を張り上げて選手を鼓舞した。

0-1の後半15分、DFヴァウド(28)がCKを頭で合わせて同点。流れを引き寄せると同30分、横パスを受けたエウシーニョが右足で勝ち越しゴールを突き刺した。「うまくコントロールできた。必ず結果を出せると信じていた」と白い歯を見せた。

1日に監督昇格が発表され、神戸戦へ向けた練習は2日間のみだった。その中で指揮官が求めたのは「戦える集団」になること。短い準備期間ながらも選手たちは要求に応えた。ゴール前での体を張った守備や球際の勝負で気迫を見せ、先制されるも追加点を許さず、逆転勝利につなげた。

3アシストのMF西沢健太(24)は「一体感を持って、崩れずに連動して守れていた。だからリードされても焦りはなかった」と振り返った。14日の次節C大阪戦で今季初の連勝を狙う。平岡監督は「ビルドアップの部分を見直したい」と気を引き締めた。【古地真隆】