仙台育英が2-1で聖和学園に逆転勝ちし、4年連続35度目の全国切符をつかんだ。前半開始2分に先制されたが、前半8分に2年生ストライカーのFW佐藤遼が同点ゴール。勢いづいた後半も佐藤が右サイドから豪快なシュートで勝ち越しの2点目を奪い、県4連覇に貢献した。

1年生時から主力で大黒柱のMF豊倉博斗主将(3年)が大学受験で不在の中、試合前に「(佐藤)遼のことは信頼している」とエールを送られた佐藤が奮い立った。チームで徹底する前線からプレスをかけながら、好機をうかがう。1点を追いかける前半8分、佐藤は相手GKのパスをインターセプトし、がら空きのゴールへ押し込んだ。さらに、後半17分は右サイドからドリブルで持ち込み、「キーパーがはじいて味方が決めてくれればと思った。とにかく強いボールを意識した」と思い切りシュートを打つ。すると、ボールはポストを直撃しゴールイン。これが決勝点となった。

決勝まで無失点の守備陣は、相手のドリブル突破に体を張って対応し、チャンスの芽をつみ取る。後半9分、PKを献上した大ピンチも、GK高橋拓輝(3年)が好セーブ。その8分後に決勝弾が生まれ、昨年の県新人戦と9月のプリンスリーグで連敗した相手に雪辱した。殊勲の佐藤は「(全国大会で)自分が一番すべきことは得点。そこだけを狙いたい」と闘志を燃やす。昨年度は30大会ぶりに8強入り。今年度は過去最高の4強に挑戦する。【相沢孔志】