リーグ首位を独走するブラウブリッツ秋田がFC岐阜を1-0で下し、J2昇格に王手をかけた。この日は3位の熊本が敗れたため、次節(18日)のアウェーG大阪U-23戦で勝利すれば、昇格条件の2位以内が確定。さらに、今日15日に2位・長野が引き分け以下の場合は、次節の勝利で17年以来のJ3優勝も決定する。

試合は後半21分に動いた。DF千田がゴール前のFW中村にパスを送ると、そこから、前線に詰めていたDF韓にボールが渡る。皆でつないで生まれた決定機に右足を振り切ると、値千金の決勝弾となった。韓は「全員が体を張ってくれて回ってきたボールだったので感謝したい」。その言葉通り、ゴール後はベンチに向かって駆けだし、喜びを分かち合った。

あとは勝ち点3を奪うのみ。リーグ18チーム中最少の8失点を誇る守備力で、今季13度目となる完封劇を演じた。開幕からの不敗記録も27にまで伸ばした吉田監督は「全員が気持ちを込めた結果、1つのボールを複数人で奪いに行く、足を止めないサッカーができた」と、会心の勝利を喜ぶ。

J2昇格は上位2枠。残り7戦で秋田が勝ち点は65。そこから19点差の46に、2位長野(残り8戦)3位熊本、4位相模原の3チームが集中する。秋田が次節に勝てば、3チームが残り7連勝でも届かず2位以上が確定する。韓は「目の前の相手に対して全力でぶつかるスタンスは変わらない」と、次節の必勝を誓う。17年は優勝も、J2クラブライセンスがなく昇格は見送りになった。条件を満たした今季、ダブルで栄光をつかむ瞬間は、もう目の前だ。【相沢孔志】