7人のプロ内定者を擁する法大(関東第7代表)が、流通経大(関東第1代表)に競り勝ち、4強進出を決めた。

スコア以上に力の差を見せつけた。前半から、横浜FC内定のDF高木友也(4年)、J2ヴァンフォーレ甲府内定のDF関口正広(4年)の両サイドバックが高い位置をとり、甲府内定のMF長谷川元希(4年)のドリブルを武器に相手の攻撃陣を自陣にくぎ付けにし、相手の攻撃を封印。後半は流通経大もシステムを変え反撃に転じたが、後半18分にスピードが武器のFW飯嶋陸(3年)を投入。後半31分、長谷川のラストパスを飯島が右足でシュートを放ち均衡を破り、そのまま逃げ切った。

「奪還」をスローガンに掲げた今季だったが10月末にサッカー部の合宿所で、新型コロナウイルスのクラスター(集団感染)が発生。選手、スタッフら31人が陽性となった。チームは活動を休止し、公式戦再開まで1カ月半を要した。大学生のオンライン授業が続く中、部の集団感染で「部活やってるなよ」との批判の声も浴びた。長山一也監督は活動休止中のことを「家族やいろんな方に心配な思いや対応もしてもらったりした。苦しい時に支えてくれる人たちのことを覚えておかないといけない、支えてくれる人の思いを大事にしようと。その人たちのために、サッカーができるようになったら頑張ってやっていこうと伝えてきた」と振り返る。

昨年大みそかまで、延期になった公式戦を戦い抜き、指揮官は「内容も結果も伴ってきているのは、彼らが僕が話したことを理解して今につなげてくれると思う」と選手たちの奮起をたたえた。「奪還」まであと2勝。決勝点をアシストした長谷川は「サッカーができることは当たり前ではない。感謝の気持ちを優勝という形で恩返ししたい」と目標達成を誓った。