今季無敗の青森山田が、2大会連続準優勝に終わった。公式戦、練習試合と連勝を積み重ねてきたが、09年度の決勝で屈した山梨学院に2-2からのPK戦で敗戦。

2大会ぶり「王座奪還」を掲げ、前回決勝で静岡学園に競り負けた悔しさをぶつけるも、また1歩及ばなかった。前半12分に先制されたが、後半12分にDF藤原優大主将(3年)が同点とし、同18分にMF安斎颯馬(3年)が大会得点王を決める逆転弾。その後、同33分に失点して延長戦に突入。それでもスコアは動かず、PK戦は2人目の安斎が止められるなど2-4で力尽きた。

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留守番応援団からため息が漏れた。青森山田高と青森山田中サッカー部員約300人が11日、埼玉スタジアムから北に約680キロ離れた青森市内の同校で声援を送った。

手に汗握る展開に拍手の熱量は増していった。後半18分にMF安斎が勝ち越しゴールを挙げると、会場はこの日一番の盛り上がり。同43分はゴール中央でフリーで受けたMF仙石大弥(3年)が決定機を逃すと、頭を抱えながら倒れ込んだ。

PK戦は全員が鋭い視線で試合映像に集中。願うように手を合わせて応援したが、歓喜の瞬間は訪れなかった。試合後、ステージに立ったGK長浜北斗(3年)は「選手たちはすごく頑張りました。『おめでとう』と『頑張った』と伝えましょう」と呼びかけた。

MF鈴木拓馬(3年)は、J1浦和レッズに内定する藤原主将と青森山田中1年時から同じクラス。「まずはお疲れさまと伝えたい。優大はこれから日本を背負っていく選手。焦らずにケガに気をつけて頑張ってほしい」とエールを送った。【相沢孔志】