1段飛ばしでステップアップを果たした。高い技術が光るJ1ベガルタ仙台DF長倉颯(24=J3岐阜)は、両サイドバック、ボランチをこなし、攻撃組み立てでキーマンになれる存在だ。

法大4年の春まで就職活動をしていたが「自分の好きなこと、今までやってきたことを仕事にしたい思いがあった。プロサッカー選手が1つの夢で、この1年間にかけてみよう」と一念発起。努力でプロの扉を開いた。

1度は岐阜と今季契約を更新。その後、仙台からオファーが届いた。「一番はびっくりしたのが大きい。上のステージでやりたいと常に思っているし、成長するために、お話をいただいたときはチャレンジしたい」と迷いはなかった。選手として大切にしているのは「常に自分にベクトルを向けること」。自らのプレーで明るい未来を切り開く。

法大の2学年先輩から強力アシストを受けた。17~19年まで仙台に在籍した鹿島DF永戸勝也(26)は、仙台の選手に「後輩を頼む」と連絡。長倉は溶け込みやすくなり「ありがたいです」と配慮に感謝する。

プロか就職か、迷いもあった。「最後の4年生でサッカーだけ頑張ろう」とプロ1本にしぼり、ダメなら翌年に就職浪人する覚悟だった。今季目標は「まずはJ1デビューが最初」とした上で、「アシストとゴール合わせて10得点に絡みたい」と強気だ。「19年J1アシスト王」の永戸のように、颯爽(さっそう)としたプレーで目に見える結果にこだわる。【山田愛斗】

◆長倉颯(ながくら・はやて)1996年(平8)4月29日、神奈川県生まれ。横浜ユース、法大、岐阜を経て完全移籍。J2通算8試合0得点、J3通算3試合0得点。U-17日本代表。尊敬する人物は横浜MF喜田拓也。マイブームは韓国ドラマで「愛の不時着」など視聴。177センチ、73キロ。背番号24。