川崎フロンターレのU-24日本代表MF三笘薫(23)が、オリンピック(五輪)代表でのうっぷんを晴らす2ゴールで2-0と大分を退けた。

Jリーグでは際立つ輝きを放つ一方、3月のU-24アルゼンチン戦では見せ場なく終わっていた。東京五輪まで4カ月を切る中、課題を克服しながら、1戦1戦アピールしていく。チームは開幕から8戦無敗で、首位をキープした。

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三笘がほえた。前半39分、日本代表MF脇坂のFKのこぼれ球に、左サイドで反応した。高く上がったボールの落下地点に走り込むと、ワンバウンドさせて右足ハーフボレーで仕留めた。ガッツポーズ。後半21分には相手DFのミスからボールを奪い、右アウトサイドで流し込んだ。「アルゼンチン相手に自分のプレーができず、他の選手ができていた中で悔しい思いがあった。ここで結果を出せて良かった」と、五輪代表で不完全燃焼だった思いを、Jリーグにぶつけた。

ヘタフェMF久保との初共演もあり、大きな期待を背負って臨んだアルゼンチン戦では、三笘らしくないミスが目立った。持ち味のドリブルは懐の深い相手の守備に引っかかり、反対にパスミスからカウンターを食らう場面も。「アルゼンチンとJリーグの相手では(守備の)足の出てくるタイミングも違う」と、慣れない相手に苦戦した。

2週間ぶりのチームでの試合は、水を得た魚のように生き生きとプレーした。「ボールを持つチームなので、いい立ち位置でボールが回ってきて、ゴールに近い場所で仕掛けられるのは大きな違い」と三笘。鬼木監督は「人を使うことで、もう1回自分にチャンスが回ってくる」とアドバイスしたことを明かし、「彼のいいところは、自分でも行けるし、引きつけて味方を使うこともできる。良いプレーをしてくれた」と評価した。

中3日ですぐに鳥栖戦がやってくる。東京五輪まで4カ月を切った今、1つ1つの試合が大事なアピールの場となる。【杉山理紗】