1都3県への緊急事態宣言解除後、初めてのリーグ戦を迎えた3日、各会場に「ビジター席」が復活した。

神奈川の3会場、日産ス(横浜-湘南)、ニッパツ(横浜FC-柏)、そして等々力(川崎F-大分)には、ビジターチームのサポーターの姿があった。

3月21日をもって緊急事態宣言が解除された1都3県は、4月18日まで「Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」における「経過措置区域」として扱われる。この地域での試合開催時、ビジター席の設置は「主管クラブの任意」とされており、埼玉(浦和-鹿島)ではビジター席が設置されなかった。

川崎Fの本拠等々力では、ビジター席のチケットが590枚も売れたという。記者席から見ると、ビジター席は大分サポーターでほぼ埋め尽くされていた。選手にもスタジアムの一角に陣取るサポーターの姿が見えていたようで、大分MF下田は「勝てなくて残念。遠くまで見に来てくれたサポーターに申し訳ない」と話していた。

大きなスタジアムでは入場者数の上限も5000人から1万人に引き上げられ、日産ス、等々力、埼玉には9000人以上の観客が詰めかけた。ケガからの復帰戦となった川崎F・DF登里は「すごく良い雰囲気で迎えてくれて、後押ししてくれて、心強かった。サッカーも等々力も最高だとあらためて感じた」と、活気の戻ったスタジアムにパワーをもらったようだ。

勝負の場は、両チームのサポーターがいてこそ雰囲気ができあがる。声を出しての応援が解禁されるのにはまだ時間がかかりそうだが、スタジアムは再び本来の姿を取り戻しつつある。【杉山理紗】