青森山田がプレミア参戦10年目で初の開幕3連勝を達成した。

後半に勝負強さを発揮し、横浜FCユースを2-0で撃破。同13分、FW名須川真光(まさき、3年)が得意のヘディングで均衡を破り、2戦連発、得点ランキング単独トップの4ゴール目を決めた。同16分にはDF多久島良紀(2年)も頭で続いた。攻守ががっちりかみ合い、ここまで15得点無失点。盤石の戦いで首位をひた走る。

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無双の青森山田に無双の名須川あり。エースストライカーが一撃で仕留めた。後半13分、右サイドのMF藤森颯太(3年)がふわりとしたクロスをゴール前に上げると、滞空時間の長いジャンピングヘッド。「自分は足よりも頭で決めるイメージが強い」。得意パターンで先制すると、雄たけびを上げながら何度も力強いガッツポーズ。駆け寄ってきた仲間と喜びを分かち合った。

2戦連発の背番号「9」は「先制点を決めたらチームが乗れると思っていた。(藤森)颯太が縦に突破してくれる、自分のところにボールが来ると信じていた」。ゴール前では相手DFの視界から一瞬消える動きを入れ、落ち着いてフィニッシュにつなげた。

前節11日の市船橋(千葉)戦では後半3分までの48分間でハットトリック。この試合前までは2トップを組むFW渡辺星来(せら、3年)とともに、3ゴールで得点ランキング1位に名を連ねていた。1得点を上積みして単独トップに浮上し「毎試合、ゴールを決めないといけない責任感がある」。次戦以降も貪欲に得点を狙う。

名須川は2年時からレギュラーに定着し、前年度の全国選手権では5試合3得点。同じく当時から主力だった主将のMF松木玖生(くりゅう)、MF宇野禅斗、MF小原由敬(いずれも3年)と「先発2年生カルテット」を形成し、準優勝の原動力になった。

青森山田は初戦の浦和ユースを被シュート7本、2戦目の市船橋を同2本、3戦目の横浜FCを同1本に封じ、3試合計270分で無失点継続中だ。名須川は「守備は安定感が増してるので、あとはFW陣がどれだけゴールを決められるか。自分が必ず点を決めて勝つのを目標に頑張りたい」。次節は25日に横浜ユースとアウェー戦。首位快走へ連勝と無失点を1戦1戦伸ばしていく。【山田愛斗】

ロングスローの継承者、DF多久島がプレミア初ゴールを奪った。後半16分、MF松木の右クロスを豪快に頭でたたき込み「自分が武器にするヘディングで得点できて良かった。いいボールが来て決めるだけでした」。前年度の全国選手権はDF内田陽介(現明大1年)のロングスローが多くのゴールを演出。多久島のスローインは初戦、2戦目で得点の起点になり、この日は自ら決めてみせた。

新たなDFリーダーが3戦連続完封勝利で、自らの誕生日を1日早く祝った。センターバックのDF三輪椋平(3年)は19日に18歳を迎える。17歳最後の日に自身を中心にシュート1本に抑え、相手の自由を奪った。「プレミアの高いレベルの中で無失点でいくのが使命というか、後ろがゼロなら負けることはない。無失点勝利を続けたい」。守備陣は昨季から総入れ替えも、鉄壁を誇っている。