U-24(24歳以下)日本代表の鳥栖FW林大地(23)が、名古屋に初黒星をつける2試合ぶりの6勝目に貢献した。前半6分、クロスを頭で合わせ6戦ぶりの今季4得点目で先制。名古屋のJ1記録の連続無失点も9試合で止めた。激しい前線のハイプレスでも相手の動きを封じるなど、攻守の活躍で東京五輪出場へアピールした。

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鳥栖FW林が愛称「ビースト(野獣)」の本能で鉄壁守備の名古屋から先制点を決め、白星奪取に貢献した。

序盤から2トップの一角で襲いかかった。「90分間スキがないことはほとんどない。数少ないスキを常に狙っていた」と燃えていた。前半6分、FW酒井のクロスに勢いよく飛び込んで頭でゴール右に突き刺した。そしてJ1記録の連続無失点を9試合でストップし「いろんな方が『名古屋さんは点が取られていないので取れたらいいね』とおっしゃってくれていたので得点できて良かった」と素直に喜んだ。

6試合ぶりの4得点目は課題克服の成果だ。「最近真ん中で待ってしまったり、味方のスペースをつくれていなかった」と言い、3月17日柏戦で2得点して以降、調子を落としていた。だが「勢いを持ってクロスに入ることは自分が決めるにしろ決めないにしろ、チームのためになるんだと金明輝監督から指導され、勢いよくクロスに飛び込めた」と開眼。映像を使うなどして親身にアドバイスをくれた指揮官の期待に応えた。

3月29日に行われたU-24日本代表の国際親善試合・アルゼンチン代表戦で、代表初ゴールとなる先制点を奪い3-0の快勝に導いた。だが「鳥栖を勝たせられないと代表にも呼んでもらえないと思う。鳥栖の中心となれるよう頑張っていきたい」と慢心はない。さらなる飛躍へ、気持ちを引き締め、今後も東京五輪出場をアピールする。【菊川光一】

◆林大地(はやし・だいち)1997年(平9)5月23日、大阪府生まれ。中学時代はG大阪ジュニアユースに所属し、履正社、大体大を経て20年に鳥栖入り。新人ながらチーム最多9ゴールをマークした。J1通算43試合14得点。178センチ、74キロ。A型

◆Jリーグで活躍する主な東京五輪代表候補 前線で好調な選手が多い。川崎FのMF三笘は首位を快走するチームの攻撃の要として躍動。けがで3月のU-24日本代表の活動に参加できなかった横浜のFW前田は日本人最多7得点を挙げている。鳥栖のFW林も最前線でキレのある動きを見せ、3位に浮上した好調のチームをけん引。東京五輪世代の代表戦で最多15ゴールの鹿島FW上田はけがの影響もあって3月の代表メンバーに選ばれなかったが、徐々に調子を上げている。