磐田が2002年以来19シーズンぶりの7連勝を飾った。アウェーで5位長崎に1-0。途中出場したFW小川航基(23)が今季リーグ戦初得点を挙げ、勝利に導いた。守備もクラブ記録を更新する7戦連続無失点。上位対決を制し、さらに勢いは加速した。

思いを左足に込めた。後半28分、自陣からの高速カウンターに小川航が反応した。「相手から離れる動きでスペースをつくれた」。絶妙な動きだしでMF鈴木雄斗(27)のスルーパスを受けると、トラップから左足を振り抜いた。シュートは相手GKの手を弾き、ゴール右隅へ。値千金の1発が決勝点となり「大事な試合で決められたことはよかった」と笑みを見せた。

今季は第2節以降、控えに回っていた。出場時間も減り、「歯がゆい思いがあった」とくすぶっていた。目標の東京五輪出場の夢も絶たれ「正直、すごく悔しかった」。落選のショックを胸に秘めながら迎えた一戦で、待望の今季1号。「オリンピックに出られないけれど、その先がある。また新たに目標を設定して頑張りたい」と、自らを奮い立たせるように言った。

若きエースが決めた得点を守備陣も体を張って死守。J2タイ記録の7戦連続無失点で勝ち点3を積み上げた。過去に同記録を達成した4クラブは、いずれも次のシーズンでJ1に昇格している。

この日は首位京都も勝ち、磐田の順位は2位のままだった。次戦も3位新潟との上位対決。復活を証明した若きエースは「ここから波に乗っていきたい」と力強く宣言した。

 

▼記録メモ J2磐田が7試合連続無失点で7連勝。J2リーグ戦で7試合連続無失点は11年の東京以来、10年ぶり史上5チーム目の最長タイ記録。過去の4チームはいずれも最終的にJ1昇格を決めている。0-0を含まない7試合連続の無失点勝利は04年の川崎F以来、17年ぶり2チーム目。なお、J1の連続試合無失点記録は今季の名古屋がマークした9試合連続。