ドイツ2部ザンクトパウリを退団した元日本代表FW宮市亮(28)の横浜F・マリノス加入が5日、発表された。Jリーグ初挑戦で、8月6日のガンバ大阪戦(パナスタ)から出場が可能になる。背番号は17。20-21年シーズンはけがで1試合の出場にとどまったが、「状態はいい。ピッチで示せるように頑張りたい」と気合十分だ。

スピードが武器のアタッカー。愛知・中京大中京高を卒業後、Jリーグを経由せず名門アーセナルに移籍し、複数のクラブでプレーしてきた。しかし欧州での10年間は、両膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂するなどけがに悩まされ続けた。激しい生存競争の中、「先を見すぎて自分を苦しめていた。焦りでけがをしたときもあった」という。ただ「メンタル面のコントロールは、10年前と比べものにならないくらい大人になった」と、たくましさを身につけて帰ってきた。

会見では飾らない思いも語った。「18歳でアーセナルと契約したときに思い描いていたキャリアではない。ただ、今は本当に幸せ。この10年、『もう引退か』というときもあった。サッカーができる喜びは誰よりも感じている。欧州で成功したとは言えないと思うけど今の自分は好きだし、またプレーする機会を頂いたので、このチームのために全力でやりたい」。Jリーグでの完全復活を誓う。【杉山理紗】

◆宮市亮(みやいち・りょう)1992年(平4)12月14日生まれ、愛知県出身。11年に中京大中京高からプレミアリーグのアーセナル入り。欧州の複数クラブを経て、15年にザンクトパウリへ移籍。日本代表として国際Aマッチ2試合出場。183センチ、70キロ。