県西部地区に拠点を置くJ2ジュビロ磐田とJFLのホンダFCが、4年ぶりに公式戦で激突した。日本リーグ時代には「天竜川決戦」と呼ばれた伝統の試合。17年天皇杯以来の対戦となった一戦は、磐田が試合を優位に進めた。

開始早々の前半2分。磐田FWファビアン・ゴンザレス(28)が右サイドを抜け出すと、鋭い切り返しでDFを振り切り、右足でネットを揺らした。今季加入の助っ人は来日初ゴール。その後はホンダFCがボールを保持しながら攻めるも、磐田がチャンスを確実に仕留めた。同27分、自陣からのロングボールで押し込み、最後はFW小川航基(23)が左足で追加点。同35分にも小川航がこの日2点目を奪い、3点リードで折り返した。

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現役時代にヤマハ発動機でプレーした磐田の鈴木政一監督(66)も、特別な一戦に闘志を燃やしていた。「ホンダさんとは昔からのライバルだし、絶対に負けてはいけない」。メンバーは直近のリーグ戦から先発10人を変更。試合出場に飢えている選手を起用した大胆な采配で勝負に出た。

現状のベストメンバーで臨んだホンダFCは後半12分、速いテンポでボールを回し、中央からMF鈴木雄也(30)がゴール左隅に突き刺した。その後も格上相手に互角以上の戦いを演じるも、反撃は1点止まり。J3沼津、J3岐阜、J1横浜を退けてきた快進撃は止まった。

磐田は同40分にFW三木直土(20)がダメ押しの4点目。同じ県西部の宿敵を破り、2大会ぶりの16強入りを果たした。【神谷亮磨】

▽磐田の鈴木監督 試合開始から2トップにしたことが功を奏した。ゴンザレスと小川が個人の打開で得点を取れたと思う。ただ、3点取ってからは動きが止まってしまい、なかなか攻撃のリズムができなかった。

▽来日初ゴールを決めた磐田FWファビアン・ゴンザレス ゴールの場面は何も考えずに打った。もっとたくさん試合に出られるように、しっかりと準備をしていきたい。

▽ホンダFCの安部裕之監督(41) 立ち上がりの失点が大きかった。前半に3失点すると試合が厳しくなってしまう。結果は何も残らなかったので、残念な試合になってしまった。