子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第2回はMF内田宅哉(23)。

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MF内田は、昨年からお金に関する知識を増やしている。日頃の練習に加えて自主的に高地トレーニングを追加するなどサッカーに力を注ぎつつ、車での移動時間ではラジオの感覚で動画サイト「YouTube」から情報収集をするなど、ちょっとした時間を生かして取り組んでいる。

プロサッカー選手は個人事業主の分類で、一般的に見て給与が高水準だ。そのぶん収める税金なども高くなる。「たくさんの税金を払っているんだな」と何となく感じたところから、お金の仕組みについて興味をもったことがきっかけだった。高給与で憧れの職業である一方、厳しい世界で長いキャリアが約束されているわけではない。昨年1月に結婚を発表した内田は「家族ができたことで責任感が強くなった部分もあり、勉強できることはしておこうと思っている」と話した。具体的な税金対策などの実践はこれからだといい「まだ初心者なので」と笑った。

新型コロナウイルスの感染拡大で世の中は大きく変わったが、大きな制限やストレスを感じることはないという。1人暮らしを始めたときから外食はあまりせず、資本である体のことを考えて自宅で栄養に気を配った食事をしてきた。外出を極力控えることでできる時間は、家族と映画を見たり会話をする時間として、大切にしている。「試合の翌日なんかに温泉に行きたいなと思っても我慢する、というようなことはあるけど、小さなことなので」と、コロナ禍とうまくつきあっている。

とはいえプロサッカー選手は、行動がよくも悪くも社会に影響する立場。万全の対策をしていても、「万が一、感染してしまったらどうしよう」という危機感は現在も変わらない。公共交通機関は使わない、エレベーターに乗った際に利用者が多ければマスクをしてさらに息を止めることも。感染の中心となりやすい首都のクラブに所属する選手として細心の注意を払う日々を送っている。【岡崎悠利】

◆内田宅哉(うちだ・たくや) 1998年(平10)6月2日生まれ、千葉県出身。東京の下部組織出身で、16年4月にトップチームに2種登録。同年12月に昇格を果たした。18年7月の柏戦でJ1デビュー。今季から元日本代表FW武藤嘉紀がつけていた背番号14となり、4月の川崎F戦でJ1初ゴールを決めた。愛称はうっちー。好きな漫画はキングダム、ONE PIECE。