子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第14回はMF三田啓貴(31)。

   ◇   ◇

MF三田は、コロナ禍をきっかけにサポーターとの交流の場を保つべく、YouTubeを使った取り組みをしている。初めての緊急事態宣言でクラブの練習もできなくなった20年4月に自身のチャンネル「たまちゃんねる」を開設。動画投稿は不定期ながら、時間を見つけて発信を続けている。

主な活動は生配信。サッカーのウイニングイレブンやFIFAといったゲームを使い、視聴者も参加型にすることでサポーターとチームを組んでプレーすることも。「自分の部屋はパソコンや任天堂スイッチとか、ゲーム部屋になっている」と笑った。

ゲームの配信だけではなく、選手をゲストに呼んでのトーク動画もある。普段の試合だけでなく練習場への見学もできない日々が続いた中で、サポーターと選手がふれあえる数少ない場になっている。「みなさんに喜んでもらえている」とうれしそうに話した。。

クラブハウスを離れた後は「頭もサッカーから切り替えるようにしている」という。「サッカーをやっていない時間のほうが圧倒的に多い。人生はサッカーだけではないし、自分のやりたいことも大切にしている」と、YouTubeの取り組みも、新鮮な楽しみを探した延長線上だった。「クリスマスには、サポーターに喜んでもらえるように、プレゼントで選手からグッズを集めて、みんなでゲームしたりもした」。みんなで楽しい時間を過ごしたい。そんな三田の素朴な思いが、コロナ禍での選手とファンの懸け橋になっている。【岡崎悠利】

◆三田啓貴(みた・ひろたか)1990年(平2)9月14日、東京都世田谷区出身。ポジションはMF。東京の下部組織から明大に進み、12年に東京の特別指定選手となって13年にプロとして加入。16年から仙台、18年に神戸を経て、19年に東京に復帰。好きな漫画はONE PIECE、好きな選手はアンドレス・イニエスタ。173センチ、65キロ。