子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第21回はDF森重真人(34)。

   ◇   ◇   ◇

DF森重は、練習を終えてクラブハウスを離れた後も週に1度はトレーニングジムに通い、オンライン英会話やお金関係の勉強など、ピッチ外でも忙しい日々を送っている。一方で家族との時間を作ることを忘れず、「子どもたちの迎えに行って、ゆっくり過ごすこともあります」と父親の一面も見せる。

コロナ禍で、練習場にもスタジアムにもファンが足を運べない日々が続いた。サポーターとのつながりをどう持ち続けるか、考えてきた。現在は、コロナに見舞われる前に開設した個人ブログを使い、できる限り交流の場を増やすことに取り組む。会員向けに試合の舞台裏が垣間見える記事を書いたり、自身のグッズをプレゼントしたり。「この年末にはなにかイベントのようなことができないかも考えている」と、スタッフとのオンラインミーティングは毎日のように行っている。

原動力となっているのはサポーターへの感謝の思いだ。コロナ禍以前にはファンミーティングも開催していた。集まってくれた人たちと過ごした楽しい時間が記憶に残る。「当たり前だったことがそうじゃなくなって、ありがたみもわかった。プロとして、見てもらうことがどれほど力になっていたか、これまではわかっていたつもりでわかっていなかった」と、ずっと支えられてきたことを痛感し、少しでも還元できることを模索している。

11月にはコロナの第6波が予想されるなど予断を許さない状況が続くが、いい方向に向かったときの準備を進めている。「直接(サポーターと)会えたことは1度しかない。話す機会とか、一緒にスポーツをするとか、選手とファンという垣根を越えて楽しむ機会があったらと思っている」。いつか日常が戻ってきたときに、直接サポーターに感謝を伝えられるように、ピッチを離れても森重は多忙な時間を過ごしている。【岡崎悠利】

◆森重真人(もりしげ・まさと)1987年(昭62)5月21日、広島県広島市出身。ポジションは主にCB。06年に大分でプロデビュー、10年に東京に加入。Jリーグでベストイレブン5回、優秀選手賞8回。日本代表では国際Aマッチ41試合に出場、2得点。14年W杯ブラジル大会メンバー。183センチ、79キロ。