アルビレックス新潟はホームでブラウブリッツ秋田に1-2で競り負けた。0-1の後半31分にFW谷口海斗(26)の約50メートル弾で試合を振り出しに戻したが、ロスタイムにオウンゴールで勝ち越しを許した。

特別指定選手のMFシマブク・カズヨシ(新潟医療福祉大4年)が先発でJリーグ初出場。得意のドリブル突破で再三チャンスを作り出すが勝利につながらない。J1昇格が遠のく痛すぎる敗戦となった。勝ち点は61のまま。この日試合のなかった2位京都との勝ち点差10を縮められなかった。

雨粒が大きくなりだした1-1の後半ロスタイム。新潟は最後のワンプレー、オウンゴールで勝ち越しを許した。一時は谷口の同点ゴールでスタジアムは大拍手に包まれ、選手も勢いを取り戻したかに見えた。が、3連敗中の相手に手痛い敗戦。ホームのサポーターはまさかの展開に頭を抱えた。アルベルト監督(53)は「(先制点は)2戦連続でセットプレーからの失点。最終盤もミスが続き、不運な形でゴールを許した。自分たちのミス。残念…」と唇をかんだ。

谷口は0-1の後半28分からピッチに立ち、3分後だった。ハーフウエーラインの敵陣やや右から相手GKの位置を確認し、超ロングシュート。背走のGKを越え、ネットを揺らした。「大学時代にも1度、あの距離からゴールを決めていたので自信はあった」。ただ、今季12得点目、スーパーゴールが飛び出しても勝利にはつながらない。「現実をしっかり受け止めて、次につなげるしかない」と表情はさえない。

アルベルト監督は先発でJ初出場の特別指定選手、シマブクを起用した。シマブクはクイックネスを効かせたドリブル突破とクロスで左サイドから再三、攻撃を仕掛けた。前節19日長崎戦で初ベンチ入りも出場はなかっただけに「憧れていたピッチ。緊張したが少しは特長が出せた」。それでも「シュートを打たせてもらえなかったし、勝利に貢献できなかった」と悔しがった。

残り7試合。次節31日はアウェーで岡山と対戦する。指揮官は「残りのシーズンをより良い形で終わらせたい」と話した。【小林忠】