セレッソ大阪は27日、天皇杯準々決勝で名古屋グランパス戦(豊田)に臨む。30日には同じ名古屋とルヴァン杯決勝(埼玉)を控えており、2冠に直結する重要なカードが続く。

今年8月末に途中就任したC大阪小菊昭雄監督(46)は、12年の天皇杯でコーチの立場だったが、4回戦と準々決勝の2試合で代行指揮を執った経験がある。ベスト4を懸けた試合でガンバ大阪に延長戦の末に1-2で敗れて以来、天皇杯では9年ぶりの指揮になる。

当時の準々決勝の先発はGK松井、DF茂庭、丸橋、酒本、山下、MF扇原、山口、枝村、横山、FW南野、杉本といった顔ぶれ。敗れた小菊コーチは試合後に「選手を次のラウンド(準決勝)に進ませてあげたかったというのが、私の今の感想です」と悔しさをにじませている。

今回対戦する名古屋は、今季のJ1リーグでここまでC大阪の12位に対し、4位で常に上位争いしてきた強豪。昨季までC大阪に在籍したFW柿谷やDF木本もおり、タレントの数ではC大阪を上回る。

C大阪も成績不振で更迭されたレビークルピ監督の後、バトンを受けた小菊監督がわずか2カ月間でチームを再建している。公式戦は6勝1分け6敗、ルヴァン杯は決勝に導いた。

小菊監督は試合前日の26日、オンライン取材に応じて「両選手(柿谷、木本)のストロングポイントは理解しているし、出させないようにしたい。名古屋は(柿谷らだけでなく)質の高い選手が多い。素晴らしいチームに、我々が積み上げてきたものを発揮するのが大事」とコメント。約15年間もコーチとして学んだ小菊監督が、9年前の経験も胸に敵地に乗り込む。【横田和幸】