Jリーグと日本野球機構(NPB)は1日、医師ら専門家チームと定例の新型コロナウイルス対策連絡会議を行い、今季終盤~来季にかけての興行の方針を議論した。

両者が行った「ワクチン・検査パッケージ」の技術実証の結果などが報告され、それに基づき今後の方向性が話し合われた。専門家チームの愛知医科大・三鴨教授は「プロスポーツが次に目指すのは元の姿。球場やスタジアムを満員にするのが最終的なゴール。その第1歩を踏み出せたと私は感じた」と話した。

Jリーグの村井チェアマンは、来季について「できる限り100%のお客様をお迎えすることを目指したい。観客数を増やすだけでなく、感染状況にあわせてコントロールすること、機動性を高めることも大事だと思う」と、入場率100%を目指したい意向を明かした。

一方で、声出し応援の解禁はまだ先になりそうだ。東北大・賀来教授は、新型コロナウイルスの特徴として「話すことで口の中のウイルスの飛沫(ひまつ)が飛ぶ」ことを挙げ、「感染の特徴はこれからも変わらないと思う」と指摘。「『どの条件がクリアできたら声を出しても大丈夫』とは今は言えないけど、いろんな治験がある程度クリアされてくると、最終的には声出しができると思う。ただ、もう少し時間がかかると思う」と意見を述べた。

定例検査のあり方についても言及された。Jリーグでは現在「隔週でのPCR検査」を行っているが、「毎週の抗原定性検査」を行う案もあるという。賀来教授は「PCR検査は感度こそ高いが、結果が出るまでに時間がかかることもある。抗原定性検査の頻度を高めれば、クラスターの発生予防効果があるのではないかという、貴重な情報を見せていただいた」と話した。