関東第一(東京B)が静岡学園(静岡)に土壇場で追いつき、その後のPK戦を制して準決勝に進んだ。

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序盤からボールを支配され、耐え忍んでいたが後半20分に失点。このまま試合終了かと思われた40分に追いついた。カウンターで中央から左サイドへのロングパスが通ると、MF日下空が受けて1対1を制してドリブル。グラウンダーのクロスを送ると反対サイドに走り込んだ坂井航太がスライディングで足先に当て、ゴールにねじ込んだ。坂井は「いいボールがくると分かっていた。届くか届かないかのところだったが、触れてよかった」と振り返った。後半の初めてのシュートで同点。ほぼ自陣内に押さえ込まれる苦しい展開から値千金の1発だった。

そのまま突入したPK戦ではGK笠島李月が磐田に内定している静岡学園MF古川陽介をストップ。2回戦の尚志(福島)戦に続くPK戦で自信があったといい「楽しんだもの勝ちだと思っていた。みんなが注目している中で止められるのがGKの面白み」と、気持ちの強さが言葉ににじんだ。土壇場ゴールの坂井は3人目で失敗したものの、4人が決め手4-3で勝利した。

小野監督は静岡学園について「想定をはるかに超える素晴らしいサッカーだった」と、素直に実力をたたえた。戦前のシミュレーションでも「すきがなく、どこから手を付けていいかわからなかった」と、優勝候補とされた強敵を振り返った。2回戦で超高校級DFチェイス・アンリを要した尚志、3回戦で「赤い壁」と呼ばれる堅守を誇る矢板中央と強豪を撃破。一方で屈指の攻撃力を誇る静岡学園に対して「矢板中央や尚志なら粘り強く守るだろうと。大敗して『他のチームがいけばよかった』とだけは言われたくなかった」と意地もあった。

放ったシュートは前後半でわずか1本ずつ。浴びたシュートは18本にのぼった。耐えて勝負に勝ち、開幕戦を戦った国立のピッチに戻る。すでに国立で得点している坂井は「準決勝で決めるのはまた違うと思う。まずはチームの勝利を優先して、自分のゴールでチームを勝たせられたら」。謙虚に、それでいて強気に、ふたたび国立で勝利をつかみにいく。

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