ともに初優勝を狙った決勝はオオタフットボールクラブ(中国1位=岡山)が、4-0でジンガ三木スポーツクラブ(関西2位=兵庫)を破った。2010年(平22)の準優勝を上回り、中国地方勢として今大会初めての頂点に立った。JA全農から優勝チームに兵庫県産三田米コシヒカリ200キロ、黒毛和牛三角バラ・ロース焼き肉用10キロ、準優勝チームに同米150キロ、同肉10キロ、3位チームに同米100キロ、同肉5キロが贈られた。

 

オオタFCは絶対に第1Pに得点したかった。今大会は12分×3ピリオド(P)制。どんな実力者でも1Pは試合から離れるルールがある。ジンガ三木SCの絶対的エースストライカー里見汰福(6年)は第2Pから登場するパターンだった。

主導権を握る先制パンチは第1P開始2分、武谷快地主将(6年)が鮮やかに放った。あまりにうまくいきすぎて、始まったばかりなのに、ピッチの選手が全員ベンチまで駆け戻った。抱きつかれた大田修平監督は「第2Pが勝負だ。辛抱して、辛抱して…」と言い聞かせたが、流れは大きく傾いた。「6年になって身長が伸びて走れるようになった」という福谷仁(6年)がタイミング良く飛び出し2点目、「ゴール前で緊張した」という柏雄太(6年)も全国大会初得点で3点目を挙げた。

予想外の展開だからこそ、油断しなかった。第3P、「まだ何かある」と思っていた堤清史郎(6年)はゴール前でボールを持つと、キーパーの裏に浮かせて4点目。「そういうやり方もあると、聞いてはいたので」という高等技術を大舞台でやってのけた。

前日、優勝候補のレジスタFCを僅差で破り、勢いに乗った。準優勝に終わった2010年、まだ1歳だった選手たちは「絶対に優勝しかない」(武谷主将)と意気込んでいたから、大舞台でも舞い上がることなく、1試合ごとに力をつけていった。

1988年(昭63)、今大会はコーチでベンチ入りした大田善信代表がチームを設立し、息子の修平監督とともに、桃太郎のごとく仲間を信じて日本一にまで育て上げた。岡山の少年たちは、名産シャインマスカットより深く、濃く、緑色に輝いた。

〈主催〉日刊スポーツ新聞社

〈共催〉横浜市スポーツ協会

〈後援〉日本サッカー協会、横浜市市民局、朝日新聞社、文化放送

〈特別協賛〉全国農業協同組合連合会(JA全農)

〈賞品提供〉全国農協食品、全農パールライス、JA全農青果センター、JA全農たまご、JA全農ミートフーズ、全農チキンフーズ、協同乳業

〈協力〉神奈川県サッカー協会第4種少年少女部会