セレッソ大阪小菊昭雄監督(46)は30日、キャンプ地の宮崎でオンライン取材に応じ、今季はクラブのユース(U-18)選手を積極的にトップチームに抜てきする方針を示した。

当然ながら「やれる力を見せてくれれば」という条件は付くが、小菊監督は「年齢は関係ない。(J1)リーグ戦、ルヴァン杯と今季も連戦は続くので、(力のある選手には)平等にチャンスは与えていきたい」と明言した。

既に現在のキャンプに、ユースから高校2年のDF川合陽とMF北野颯太(ともに17)、同1年のMF石渡ネルソン(16)を同行させており、この日のJ2横浜FCとの練習試合には3選手とも出場した。故障者などで人数不足の事情はあるものの、26日のJ3テゲバジャーロ宮崎戦から2試合連続の起用だ。

昨年12月にU-18日本代表に入った北野はこの日、2戦連続ゴールを決めた。183センチの大型ボランチの石渡は、本来はセンターバックの川合と中盤でコンビを組んだ。

C大阪は元々、実力や可能性があれば、ユース選手を積極的に起用する方針を持つ。かつてはFW南野拓実(リバプール)がユース時代、2種登録されて公式戦で活躍。当時の成長をコーチとして見ていた小菊監督は、今回の3選手にも「本当に素晴らしいパフォーマンスで好印象を持った」と評価する。

レビークルピ前監督からシーズン途中で小菊監督にバトンを渡した昨季は、ユースからGK春名竜聖(17)ら3選手を2種登録したものの、実際の公式戦出場はかなわなかった。その3人のうち、今季プロに昇格したMF岡沢昂星(18)は、このキャンプで早くも「(後輩に)負けていられない」とライバル心を燃やす。

この年明けにはDF瀬古歩夢(21)がスイス1部グラスホッパーへ移籍。DF西尾隆矢(20)は日本代表候補に選ばれた。C大阪の下部組織は再び人材の宝庫になりつつあり、就任2年目を迎えた小菊監督の育成手腕が注目される。