元サッカー日本代表の中村憲剛氏(41)が18日、母校の中央大・多摩キャンパスで学生たちとサッカー界の課題解決に取り組むプロジェクトに参加した。

日本サッカー協会(JFA)と中大の協働プロジェクトで、JFAの登録制度改革本部の「Growth Steategist」に就任した中村氏がプロジェクトリーダーになり、学生たちとサッカーに関心を持つ「サッカーファミリー」を増やす施策を考えていく。

第1回のワークショップでは、約50人の学生が参加したが、約半分が日本代表の試合を見たことがない学生だった。サッカーの低関心層を分析するディスカッションでは、学生から「サッカーの試合はスコアが動かなくてコスパが悪い」「興味がなくて90分、試合が見られない」など率直な意見が上がるなど、サッカーに無関心の人の多さを目の当たりにした。

中村氏は「ちょっと衝撃でしたね。でも、これがリアルな声だと思います。逆に伸びしろしかないと思います。関心的なところで知られていないことがあると知れたことが収穫」とサッカー界にいては分からない意見や考え方に触れ、学生から刺激をもらった様子だった。

12月には最終プレゼンテーションとして、JFAが開発するアプリを基軸にサッカーの仲間をどう増やすかの施策を発表。評価の高い施策が今後の施策アイデアに採用される。中村氏は「最初は不安でしたが、学生たちがどんどん発言してくれて。みんなやってくれそうだと勝手に感じています。先生と生徒たちが、1つのものに対して向かっていく熱量を今日、ここで知れたことは大きかった」と期待を寄せた。

「今日だけで、こんなにも意見が出た。学びにもなる。Jリーグには大卒の選手がいっぱいいる。母校がいっぱいあるのでみんな、このプロジェクトをやればいいかなと思う」と、他大学にも薦めていた。