J2ベガルタ仙台がJ1クラブと競り合うも、あと1歩及ばなかった。セレッソ大阪に2-3の逆転負け。0-0の前半6分。MF加藤千尋(23)が右足で天皇杯2戦連発の先制弾を突き刺した。だが、31分に同点を許し、同42分には逆転ゴールを献上。後半5分にも追加点を奪われて、結果的にこの1点が決勝点となった。前半の2失点はともにセットプレーから。この1敗をプラスに捉え、来季「J1昇格」のかかる今後のリーグ戦へとつなげていく。

来季を見据えるJ1との一戦に競り負け、天皇杯の幕が閉じた。J1で現在6位のC大阪に惜敗。1-3の後半17分にMF鎌田大夢(21)が1点差に迫る意地のゴールをたたき込むも、反撃はここまで。スコアは2-3のまま、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。原崎政人監督(47)は「試合の入りは良かったけど、失点の部分で3失点。2つセットプレーがありましたけど、また課題が出た試合になったなと思います」。前半31分にFK、同42分は右CKからとセットプレーで守り切れず、今後の課題が浮き彫りになった。

主導権を握ったのは仙台だった。0-0の前半6分。加藤がゴールのにおいを嗅ぎつけた。MF大曽根広汰(22)が放ったシュートのこぼれ球に反応。最後は右足を振り抜き、1日のホンダFC戦(2-1)に続く天皇杯2戦連発の先制弾でゴールネットを揺らした。

この日の先発メンバーは、18日の横浜FC戦から11人全員を入れ替えて臨んだ。昨季主将を務めたDF蜂須賀孝治(31)は今季初出場。今年1月に右膝関節軟骨損傷の手術から戦線復帰を果たし、約半年ぶりのピッチに立った。得点を挙げた加藤、鎌田の両選手はリーグ戦では出場機会に飢えていた立場。数少ないチャンスで確かな結果を残し、リーグ戦での先発起用に名乗りを上げた。

今後はJ1昇格に向け、リーグ戦に切り替える。今季はここまで22試合を消化し、12勝6敗4分け。勝ち点「40」で3位。25日にはホームで7位モンテディオ山形との東北ダービーを控える。天皇杯での敗戦を糧にし、1年での「J1復帰」というミッションを完遂させていく。【佐藤究】