横浜F・マリノスがホームで柏に4-0で快勝し、首位をがっちりキープした。

パリ五輪世代のU-21日本代表MF藤田譲瑠チマ(20)がフル出場。得意の縦パスでチームを勢いづける先制点を演出した。U-23アジアカップで3位に入った代表から好調を維持。E-1選手権(7月19~27日)でのA代表抜てきへ、好プレーでアピールした。

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猛暑の日産スで見せたゴールショーのスイッチ役は藤田だった。前半17分、中盤でパスを受けると、前線にいたMF水沼へ迷いなく縦パスを供給。FWレオ・セアラを経由して最後はFW西村が右足で蹴り込んだ。「(水沼が)フリーなのが見えた。(攻撃の優先順位は)外より中、と常に言われている」。掲げる攻撃サッカーを体現し、勢いに乗ったチームは前半だけで3得点。試合を決めた。

3位に入ったU-23アジア杯では主将を務めた有望株。21日に帰国して中3日ながらフル出場した。終盤はプロでは未経験の右SBもこなし「(ACLの1次リーグを戦った)ベトナムや、ウズベキスタンのほうが暑かった」と笑顔で話す姿が頼もしかった。

7月に日本代表が国内組で出場するE-1選手権への選出が期待される。「選ばれたらうれしいが、マリノスで必要とされる選手に」とクラブでの活躍が第一とした。また国立で行われる次節の清水戦に勝てば、鹿島に続く史上2クラブ目のJ1通算500勝となる。東京Vの下部組織時代に初めてボールボーイを務めたのが、改修前の国立だった。「出られたら思い切ってプレーしたい」と、充実感を漂わせた。【岡崎悠利】

◆藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえる・ちま)2002年(平14)2月26日、東京都生まれ。ポジションはMF。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ。町田大蔵FCからJ2東京Vのジュニアユース入り。19年9月に2種登録で新潟戦でJデビュー。20年にトップ昇格し同年11月の新潟戦でプロ初ゴール。21年にJ1に昇格した徳島へ完全移籍。7月には東京五輪のU-24日本代表にトレーニングパートナーとして帯同、同ホンジュラス代表との国際親善試合に出場。今季から横浜へ完全移籍。174センチ、74キロ。