サンフレッチェ広島を率いるドイツ出身のミヒャエル・スキッベ監督(56)は、複雑な表情を浮かべた。

大量得点で勝てばACL圏内の3位浮上の可能性もあったが、終盤に追いつかれて6位のまま。

国内組で臨む東アジアE-1選手権の日本代表に6人が選出された。後半9分にはそのメンバーであるMF野津田のクロスを、MF森島が頭で押し込んで先制。代表コンビ2人の活躍に、同監督は「いいゴールで先制した中で、不可解な判定から勝ち点3を逃してしまったのは残念だ」とため息をついた。

後半25分に右からペナルティーエリアへと侵入しようとしたMF藤井智也が、京都MF荻原に右足をかけられて転倒。ビデオ判定となったが、PKは得られなかった。

皮肉たっぷりに「(京都は勝ち点)1ポイントを取れておめでとう」と漏らしたスキッベ監督だったが、試合直後には京都の曹貴裁監督の元へと歩み寄った。

伝えたのはこうだ。

「J1に上がってきたばかりでいいチームを作っている。素晴らしいことだ」

それこそが、心からの言葉だった。