先制攻撃の前の先制“口撃”! アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝の組み合わせ抽選が20日、埼玉スタジアムで行われた。手倉森誠監督(54)率いるBGパトゥム(タイ)が22日に浦和レッズと対決することが決定。J2長崎、J1仙台で指揮を執っていた指揮官は、対戦経験のある浦和リカルド・ロドリゲス監督(48)へ、軽妙なトークで揺さぶりをかけた。またヴィッセル神戸は全北現代(韓国)を相手に、準決勝進出を目指す。

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ピッチに立つ2日前から、戦いはもう始まっている。最初に仕掛けたのは、手倉森監督だった。

「浦和には“裏技”を出さないといけない」

まずは、得意のダジャレで場を和ませる。軽快なトークは健在だ。そして、その裏技とは…。「(浦和監督の)リカルドとは、もう駆け引きしています。それも裏技の1つです」。ともに決勝トーナメント初戦では大量得点で快勝。「お互いメンバーは変えないだろ?」。にやりと笑って、揺さぶりをかけた。

実は、互いの戦いぶりをよく知る仲。手倉森監督がJ2長崎、ロドリゲス監督がJ2徳島の指揮官だった時には、昇格争いなど激しい戦いを繰り広げた。昨季は手倉森監督が仙台を率いてJ1で対決。今度はアジアの舞台で顔を合わせた。

大声援を受ける浦和との対戦を、手倉森監督は願っていた。「ホームの浦和サポーターの前でやってみたいと、選手も話していた。思いが伝わった。自分もこれから先のクラブの発展のために、いい経験になると思う」。19日の傑志(香港)戦では4-0で勝利し、タイ勢初の8強入り。チームはまだまだ成長する。

もちろん、目指すのは金星だ。「仙台の時に戦ったイメージがあると思う。浦和になかなか負けなかった。浦和のサポーターが少しでもいやがってくれれば(笑い)」。手倉森監督が率いた仙台の浦和戦リーグ通算成績は、2勝7分け1敗。ピッチで先制攻撃を仕掛けるのは、どちらか?【磯綾乃】

◆ACLの今大会日程 西地区の1次リーグは4月7~27日にサウジアラビアで集中開催され、前回王者のアルヒラル(サウジアラビア)など8チームが16強進出。ただ、西地区の決勝トーナメントは新型コロナウイルスの影響などを考慮して、来年2月に準決勝までを一発勝負で行い、日本勢が所属する東地区と西地区の勝者による決勝は同19、26日にホームアンドアウェー方式で実施される。