J2新潟は8日のホーム仙台戦に備え、聖籠町で調整を進めている。引き分け以上でJ1昇格が決まる首位新潟と、J1参入プレーオフ圏内キープを狙う6位仙台の一戦は激戦が予想される。前節1日のアウェー山形戦(1-1)、センターバックでフル出場した副主将のDF早川史哉(28)は2試合連続のスタメン出場に向けて気合十分。鍛え上げた筋力を生かした対人プレーと正確なフィードで、昇格に突き進むチームの最終ラインを支える。

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引き分け以上でJ1昇格が決まるホームでの“大一番”を前に、副主将の早川は「普段通り、全員でいい準備を進めたい」と話し、「選手としては当然、ピッチの上で勝利に貢献して昇格の瞬間を迎えたい」と気持ちを高ぶらせる。

フル出場した前節山形戦は前半に先制点を献上したが、後半は被シュート数を0に抑えるなど相手の攻撃を完全に封じ込め、敵地での勝ち点1獲得に貢献した。試合内容に満足はしていないが「常に自分たちが主導権を握れる試合ばかりではない。厳しい展開でも勝ち点を拾えたことは成長」と前向きにとらえている。

今季ここまで7試合出場と数字は残せていないが、日々の練習に取り組む姿勢や言葉でチームを支える。DF堀米主将は「自分にはない形でみんなを引っ張ってくれる。かなり助けてもらっている」と早川の存在に感謝している。

再びJ1の舞台へ。大卒ルーキーとして新潟でプロデビューした16年(当時J1)は開幕戦から3試合でフル出場を続けたが、その後、急性白血病を患い、治療に専念。チームも翌17年にJ2に降格した。長く、つらい闘病生活を乗り越え、19年冬にピッチにカムバックしてから約3年。チームは力を伸ばし、6年ぶりJ1復帰に王手をかけた。「ここまで積み重ねた勝ち点は全員の力。自分たちの力で昇格を決め、選手、サポーター、みんなで喜び合いたい」と歓喜の瞬間を思い描いていた。【小林忠】