J1残留争い真っただ中のジュビロ磐田に、来季の補強禁止が通達された。磐田は19日、国際サッカー連盟(FIFA)から今後2度の移籍期間で選手の新規登録を禁じられたと発表した。FWファビアン・ゴンザレス(29=コロンビア)との契約が規則違反とされたため。

ゴンザレスは今季18試合で6得点と決定力のあるFWだが、9月11日の札幌戦以来、出場していない。昨季の磐田加入前にタイのクラブと交わした契約が存在したとされ、磐田は同選手の不当解除を誘発したと判断された。先月29日にはFIFAの紛争解決室(DRC)から、ゴンザレスの4カ月間の出場停止やクラブと連帯で賠償金約5万ドル(約725万円)の支払いを命じられた。

さらに、今後2回の登録期間(来年1月6日~3月31日と7月21日~8月18日)で新規選手の登録も禁止された。トップチームと全ての年齢別の男子チームが対象で、来季の補強ができなくなる重い制裁。来年度に新規登録する小学5~6年生、中学1年生、高校1年生は、来年1~12月の日本協会登録の大会や活動に参加できない。

磐田はタイのクラブとの契約締結を認識していなかったと主張。同クラブからゴンザレスを引き抜いた事実はないとして、同日にスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した。CASからの裁定が下される時期は、不明だという。磐田は今季3試合を残し、勝ち点28の最下位に沈んでいる。

▽磐田のCAS上訴までの経緯

◆4月13日 タイのクラブが、ゴンザレスと磐田を相手方として、DRCに申し立てを行った。その後、当事者の主張が提出された。

◆9月29日 DRCは、磐田とゴンザレスが契約を締結する前に、同選手とタイのクラブが契約を締結されていたことを認定した。同選手がタイのクラブとの契約を正当な理由なく解除するとともに、磐田がこの契約解除を誘引したと推定されると判断。磐田と同選手に対して、今回の決定をした。

◆今月19日 磐田はゴンザレスとの契約締結前に、タイのクラブと契約を締結していた事実を認識せず、この契約の存在にもかかわらず、同選手を引き抜いたという事実も存在しないと主張。今回の決定に対して不服申し立てを行い、CASへ上訴した。