セレッソ大阪は27日までに、試合の舞台裏を紹介するクラブの公式YouTube番組「BACKSTAGE PASS」を更新した。

今回は22日に行われたサンフレッチェ広島とのルヴァン杯決勝戦(国立)。C大阪が1-0とリードし、5シーズンぶりのタイトル獲得が目前に迫りながら、後半ロスタイムに2失点して逆転負け。一発退場で数的不利になったとはいえ、まさかの結末だった。

試合後の小菊昭雄監督(47)は、全選手がいる控室で語り始めた。

「俺の方からはね、まずメンバー全員にお礼が言いたい。まだ、初心者マークの俺に対してみんながついてきてくれて、2年も連続で素晴らしい舞台に連れてきてもらって、ほんまに感謝している。全員の、全員の力で勝ち取ったことやから感謝している」

そして、自身の采配で勝利に導けなかったことをストレートに表現した。

「今日は監督力の差で負けた。それは俺が一番分かってる。だから、また、俺はみんなとチャレンジしたい。とにかく(今季リーグ戦は)あと2試合、笑って終わりたい。少し時間はかかるかも分からへんけど、ラスト2試合、全員でまたいい準備をして笑って終わろう。ほんまにありがとう」

この「BACKSTAGE PASS」は、主に2人のスタッフが監督、選手に密着してカメラを回し、その熱量を1年にわたって伝えてきた。この試合終了直後、先制ゴールを決めたFW加藤が声をもらして泣いていたのは、この番組でしか確認できないことだった。髪の毛をピンク色に染めたDF舩木の涙も印象的だった。

約15年もトップチームでコーチを務めた小菊監督は、昨年8月に初めて指揮官に就任。モチベーター型指導者の枠にとどまらず、わずか1年2カ月で戦術指導でも格段の成長を遂げた。

それでも、退場者を出したこの試合の終盤のように、予期せぬ局面で学ぶことはまだまだある。「今日は監督力の差で負けた」という小菊監督の思いは、C大阪の来季への飛躍の材料となりそうだ。