日本プロサッカー選手会(JPFA)が29日、栃木県内でトライアウトを実施した。

Jリーグのクラブを中心に、退団する選手を対象としたシーズンオフの恒例行事。各クラブの強化担当が見詰める中、38人が、新天地を見つけるために、紅白戦などでアピールした。

2日間のトライアウトを通し、最年長の参加者はGK柴崎貴広(40=SC相模原)だった。柴崎は紅白戦の1本目に出場。昨年に続き2年連続でのトライアウト参加となった。

今季はJ3相模原でプレーした。終盤に試合出場機会を得て5試合に出場した。だが、相模原は来年からDeNAが経営に本格参入し、チームの若返りを図っており、契約満了となった。

柴崎は「戻ってきたくない場所に戻ってきてしまいましたが、楽しく独特の雰囲気を味わえた」と振り返った。40歳になっても現役を続ける理由は、大きなケガがないこと。今季も体調不良以外で練習を欠席することはなかった。「体も動くし、周囲もやめるのはまだ続けろ、やめるのは簡単だと。最後はやはり、息子がやれ、と言うので」。

長男は小学校4年生。長男に「引退していい?」と聞いたところ、昨年に続き「ダメだ」との答えだった。柴崎自身も「自分が出た試合に勝てなかったし、そのまま終わるのは…。基本はJリーグでやりたいのはありますが、地域リーグもレベルが上がっている。サッカーをやる場所があれば。やり尽くしたいし燃え尽きたい」と強い思いを口にした。長男からは「アウトレット、頑張って」とのエールを受けたという。「トライアウトをアウトレットと言い間違えてるんですよ…」と苦笑しながら、パパの顔になっていた。

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