サンフレッチェ広島から加入した北海道コンサドーレ札幌MF浅野雄也(25)がプロ5年目で初の2ケタ得点を狙う。14日、沖縄・金武町でのキャンプでミニゲームなどに参加した。ワールドカップ(W杯)日本代表として昨年のカタール大会でゴールを決めた浅野拓磨の弟はスピード、フィニッシュの質を生かした攻撃力を武器に開幕スタメンを目指す。

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浅野は札幌の攻撃をけん引する覚悟がある。新天地で迎える今季へ「目標は2ケタ得点」と語った。2日連続で実施したミニゲームでは、前日13日はシャドー(1・5列目)で攻撃に絡み、この日は右ウイングバックでプレーしてチャンスメークした。シャドーへのこだわりもあるが「どこでも点を取れる選手になりたい」。とにかくゴールを生み出すつもりだ。

プロ5年目。シーズン自己最多は広島時代の21年で37試合6得点。突破したい2ケタの壁。「あまり意識することなく、1試合1試合点を積み重ねたら2ケタ得点になっているのがベスト」と思い描いた。札幌にとっても2ケタ得点者の登場が上位進出には不可欠。昨季のチーム最多はMF青木の8得点。ペトロビッチ監督体制5年目で最少だった。1人で点を稼ぐ存在を待ち望む。

浅野家6男1女の四男。2学年上の三男はW杯カタール大会日本代表FWの拓磨だ。今年の正月、7人きょうだいが勢ぞろいした。9年ぶりという。「みんな仲がいい。小さい時は家族でごはんを食べるとみんながしゃべって会議みたいになっていた。ここ! ってところで(会話に)入っていかないといけなかった」。大家族で鍛えられたコミュニケーション能力で、話し上手。早くもチームになじんでいる。

キャンプを終える3月からの北海道生活へのモチベーションは高い。北海道発祥のコンビニ「セイコーマート」で販売されているおにぎりは、19年水戸時代、茨城県内にあった店舗で出会い、お気に入りだ。もちろん一番心待ちにするのはピッチで活躍する瞬間。「1人でも多く、僕のプレーを見て元気や夢、希望を与えられるように、そういうプレーを1人でも多くお見せできるように」。札幌サポーターを魅了する。【保坂果那】