日本プロサッカー選手会(JPFA)は18日、選手間で選ぶ新設の「JPFAアワード」の受賞者を発表し、2022年のJPFA最優秀選手賞にはW杯カタール大会で日本のベスト16入りに貢献したMF三笘薫(25=ブライトン)が輝いた。新しい景色を目指す日本サッカー界で、選手が選手を選ぶ新しい視点での表彰。選手が認める、最もすごい選手三笘は喜びとともに、子どもたちへのメッセージも口にした。

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W杯を盛り上げたヒーロー三笘が、名実ともに22年の日本人トッププレーヤーになった。初代MVPの称号を得た三笘は、ビデオメッセージで喜びを語った。「一緒にピッチで戦った選手や、対戦相手として戦った選手に評価していただき、これ以上ないうれしさがあります」。日本のサッカー界を盛り上げるために新設された「JPFAアワード」は選手が選手を選ぶ賞。選手会の1654人の会員が三笘の22年の活躍をたたえた形となる。1年間の躍動ぶりを見れば、異論はないはずだ。

昨夏、ベルギーへの期限付き移籍からブライトンに復帰すると、存在感を発揮。W杯でも注目の的だった。中でも1次リーグ最終戦のスペイン戦。ゴールラインを割る寸前のボールに追いつき、MF田中碧の決勝点をアシストした。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定にもつれ込むライン際のプレーは「三笘の1ミリ」として世界中の話題を集めた。

今月16日にはプレミアリーグで、レジェンドのシアラー氏が選ぶ週間ベストイレブンに選ばれるなど、進化は止まらない。ビデオの中では子どもたちへのメッセージとして、その秘訣(ひけつ)を明かした。「自分にしかない武器を持つこと。僕自身ドリブルという武器で、どんな場所へ行っても自信を持って相手に立ち向かうことができた」。大舞台で躍動した姿が、これ以上ない説得力だ。

絶好調の三笘とともに、ブライトンも現在リーグ7位に浮上。「(いつも強豪が占める)トップ6を目指してチームとして頑張っていきたい。そして個人では、数字にこだわってゴールやアシストで毎試合勝利に貢献できるように、頑張っていきたい」。選手が認めた称号とともに、唯一無二の「武器」をこれからさらに磨いていく。【磯綾乃】

◆22年の三笘 前半は引き続き、ブライトンからベルギー1部のサンジロワーズに期限付き移籍してプレー。上位プレーオフ最終戦まで戦い2位となり欧州CL予選の出場権獲得に貢献。ベルギーでの活躍が認められ英国の労働許可証を取得。これにより、夏からは晴れてプレミアリーガーとしてブライトンでプレー。W杯を挟み、ここまでリーグ13試合3得点(22年は11試合2得点)。昨年のW杯では日本の切り札として活躍。もう誰も「三苫」と書く人はいなくなったと言っていいほどのセンセーショナルな活躍をみせた。