J2ジュビロ磐田は鹿児島キャンプ7日目の28日、J2大分トリニータと練習試合(45分×3本)を行い、0-3で敗れた。元日本代表のMF遠藤保仁(43)は3本目に出場。今年でプロ26年目のベテランは安定感のあるプレーを見せ、健在ぶりを証明した。

ミスなく、試合をコントロールした。遠藤は本職のボランチとして出場。積極的にボールを受けると、長短のパスを散らしてリズムを作った。「今日は監督が求めているプレーをトライした」。得点を奪えなかったものの、精度の高いクロスからチャンスを演出。Jクラブとの今季初実戦で自身の感覚を確かめる45分間になった。

この日は43歳の誕生日で、試合後のスタンドには地元鹿児島のファンから祝福の横断幕が掲げられた。遠藤は「今年もみんなで楽しく過ごせたらいい。ケガなくやっていきたい」。昨季はリーグ戦31試合に出場し、無得点。チームもJ2降格となり、今季は再起のシーズンとなる。目標も明確で「より多くの試合に勝って、昇格したい」と決意を口にした。

ユースからプロ契約を結んだFW後藤啓介(17)との年齢差は26歳。ふた回り以上離れた若手と共闘していく。遠藤は「ピッチに入れば年齢は関係ない。自分の体と相談しながら徐々にコンディションを上げていきたい」と言った。年齢を重ねても、試合出場への思いは変わらず、勝利にも飢えている。目標を達成するための戦力として今季もプレーでチームを引っ張っていく。【神谷亮磨】

■横内監督手応え

横内昭展監督(55)は完封負けにも悲観しなかった。2本目はセットプレーから先制点を献上すると、守備が安定せずにさらに2失点。この日もメンバーは固定せず、目の前の相手に負けないプレーを求めた。攻撃では意図的なパスワークからゴールに迫るシーンもあり、「少しずつよくなってきている。僕らスタッフが要求していることを体現しようとしてくれた」とうなずいた。