帝京長岡高(新潟)サッカー部のMF広井蘭人が今春、強豪の筑波大に進学する。

すでに同大トップチームの練習に参加するレフティーは、4月から始まる関東大学サッカーリーグ戦1部でのスタメン定着を狙う。プロの誘いを断り、大学進学を決意。日本代表MF三笘薫(25)らを輩出する名門で武器を磨きながら、高校では手が届かなかった「全国制覇」を成し遂げ、4年後のプロ入りをつかみ取る。

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果たせなかった目標を次のステップで成し遂げる。高校では1年冬に主力で出場した全国選手権3位が最高成績だった。筑波大には全国から有力選手が集まるが、定位置確保へ覚悟は決まっている。2月中旬から同大トップチームの練習に参加。対人強度やスピードに圧倒されたが、同時に手応えもつかんだ。「体格差はあるけど技術や発想力は自信がある。1年からレギュラー争いに食い込んで、総理大臣杯やインカレの優勝に貢献したい」と言う。

左利きの司令塔。ボールを操るテクニック、先の展開を予測するセンスには複数のJクラブがほれ込み、正式オファーも。だが、「調子のいい時と悪い時の波がある。常に一定のプレーができないと活躍はできない」と自身を分析。「心理学をしっかりと学び、またプロに呼んでもらえるような選手になりたい」と3年夏に筑波大進学を決意した。

帝京長岡高グラウンドでは下部組織的存在の長岡ジュニアユースU-15(東小千谷中1年)から6年間、汗を流した。同校には一般入試で入学。部員100人を超す強豪校で1年秋に頭角を現し、トップチーム入りすると年代別日本代表に招集されるまでに成長。3年夏にはオランダリーグの名門フェイエノールトの練習や遠征にも招待された。「(帝京長岡の)古沢監督に出会えなかったら今の自分はない。濃い高校生活だった」と感謝する。

筑波大では元日本代表FWの平山相太監督(37)から指導を受ける。「監督の目指すサッカーを理解し、絶対にいなくてはダメと思わせる選手になる」。見るものを楽しませるファンタジスタが大学でスケールアップする。【小林忠】

◆広井蘭人(ひろい・らんど)2005年(平17)3月5日生まれ、小千谷市出身。小千谷SC-FC大和ジュニオルス-長岡JYFC。U-15、16日本代表候補でU-17日本代表に選出される。20年度全国選手権では1年生で全試合に出場し、2年連続4強に貢献し、大会優秀選手に選ばれる。22年U-17日本高校選抜。蘭人という名はディズニー好きの母利恵さんが名付けた。175センチ、66キロ。