つかみかけていた勝利がするりと逃げた。仙台がアウェーで藤枝に2-3と悔しい逆転負け。後半18分、FW中山仁斗(31)の今季初ゴールで同点、同20分にMF郷家友太(23)が逆転と見せ場をつくったが、試合終了間際に痛恨の逆転弾を食らい、3試合ぶりの勝利を挙げることはできなかった。

ジンクスを覆せなかった。前半45分、ペナルティーエリア手前まで飛んだゴールキックを、GK林彰洋(35)とDFキム・テヒョン(22)が交錯しながらテヒョンがクリア。そのセカンドボールを現在J2得点王の藤枝FW渡辺りょう(26)がすかさずミドルシュート。ボールは無人のゴールに吸い込まれ、0-1。藤枝は今季、先制点を挙げた試合はすべて勝利しているだけに、仙台は大きなビハインドを背負った。

後半、伊藤彰監督(50)の采配がずばり的中した。仙台は16分、一気にMF加藤千尋(24)、MF相良竜之介(20)、中山の3人を投入。18分、交代したばかりの相良のクロスに中山が右足であわせ、今季初ゴールで1-1の同点。続く20分、MFエヴェルトン(30)のスルーパスにDFの裏から抜け出した郷家友太(23)が鮮やかな逆転ゴールを挙げ、仙台サポーターに歓喜をもたらした。

最後は藤枝が掲げる「超攻撃的エンターテインメントサッカー」の前に屈した。41分、エヴェルトンのバックパスがカットされると、相手MFに決められ2-2。48分にも決勝弾を浴び、終わってみれば2-3。わずか2分間で逆転した仙台だったが、7分間で悪夢の逆転を食らった。伊藤監督は「1、2点目の失点は自分たちのミスから。こういうところをなくしていかないといけない」と振り返った。

次節は29日、ホームに2位大分を迎える。今季はすでに約4分の1の日程を消化したが14位。掲げる「J2優勝、J1昇格」のためにはもう敗戦は許されない。