J2清水と藤枝の「静岡三国決戦」が13日(アイスタ、午後2時)に行われる。清水MF宮本航汰(26)と、藤枝DF鈴木翔太(26)が特別な一戦を前に気持ちを高ぶらせた。ともに清水ユースの同期で、プロ入り後は初対戦となる。清水の下部組織で育った2人が、清水の本拠地アイスタで勝利のために全てを出し尽くす。【神谷亮磨】

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勝利に対する思いでは負けていない。藤枝の鈴木は清水戦を誰よりも心待ちにしていた。アイスタでのプレーは高校3年時以来で、「去年のJ2昇格が決まった日から楽しみにしていた。自分の成長した姿を見せたい」

清水ユースからトップ昇格できず、大学に進学。清水の宮本やFW北川航也(26)らユースの同期がプロで活躍する姿に刺激を受けながら4年間経験を積んだ。あこがれていた清水でプロ選手になる夢はかなえられず、同じ県内の藤枝に加入。遠回りしたが、ようやく同じピッチで戦える。鈴木は「プロになる道はたくさんあっていい。そういう選手の手本になるために、絶対に勝って自分の価値を証明したい」と力を込めた。

仲間の思いも背負ってピッチに立つ。主将のMF杉田真彦(27)は前節山形戦で右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負った。今季中の復帰が厳しい状況だ。それでも、「このピンチを一丸で乗り越えれば、チームはもっと強くなれる」とクラブの思いを代弁した。相手は昨季までJ1だった難敵。鈴木は「胸を借りるつもりはない」と強気に言った。勝ち点3だけを目指し、かつての“ホーム”に乗り込む。