藤枝MYFCは1-1で栃木SCと引き分けた。後半ロスタイム、CKからDF山田将之(28)の移籍後初ゴールで同点。台風2号の影響で試合開始が大幅に遅れた一戦で劇的なドロー劇を演じた。磐田は2-0で秋田を下し、3試合ぶりの白星。清水は1-2で山形に惜敗し、アウェー3連敗となった。

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藤枝の執念が劇的な展開を呼び込んだ。1点を追う状況でロスタイムに突入し、左CKを獲得。途中出場でピッチに立った山田はワンチャンスに懸けていた。「自分がやれることだけをやろう」。MF横山暁之(26)が上げたボールにファーサイドで反応。打点の高いヘディングでネットを揺らした。移籍後初ゴールで1-1。起死回生の1発でチームを救った。

予期せぬアクシデントにも負けなかった。2日の台風2号による悪天候の影響で栃木が試合当日に藤枝入り。午後2時開始予定だった試合が3時間遅れで始まった。前半はボールを保持しながらも攻撃の積極性を欠き、セットプレーから失点。チャンスを作りながらも決めきれない重苦しい雰囲気が漂った。

それでも、選手は冷静だった。山田は「こういう状況でも見にきてくれたサポーターのために戦おうと思った。イレギュラーなことを柔軟に対応できたと思う」。劣勢の展開でもチームの戦い方はぶれず、後半は終始相手を圧倒。小気味いいパス回しで徐々に相手を疲弊させ、土壇場で試合を振りだしに戻した。

劇的なドロー劇で勝ち点1を積み上げたチームは3戦負けなし。須藤大輔監督(46)が「なかなか取れなかったセットプレーで取れた1点は大きい」と話せば、山田も「この引き分けは後々響いてくる。負けなかったことはよかった」と前向きに捉えた。勝てなかったが、価値のある勝ち点1だった。【神谷亮磨】