男子は静岡学園が延長戦の末、2-1で清水桜が丘を下し、2年ぶり8度目の優勝を飾った。

後半ロスタイムにFW神田奏真(3年)の技あり弾で同点とすると、延長前半にも右足で決勝点。絶対的エースが2ゴールをたたき込み、チームを全国出場に導いた。女子は、藤枝順心が1-0で常葉大橘を退け、11連覇を達成した。

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敗色濃厚の窮地で規格外の1発が飛び出した。静岡学園は1点ビハインドでロスタイムに突入。神田は「正直焦っていたけれど、自分がやるしかないと思った」。味方からのロングパスをジャンプしながら胸トラップで収めると、落ち際のボールを反転しながら右足ボレー。「今までで1番うれしいゴール」と自画自賛した技ありの1発で試合を振りだしに戻した。

延長前半1分にはゴール前でのドリブルで相手DFを振り切り、右足で決勝点。歓喜の笛が鳴ると、安堵(あんど)の涙を流した。神田は「チャンスで何回も外していた。迷惑をかけていたので何とかしたかった」。気持ちが空回りして精彩を欠いた前半のプレーを帳消しにする2得点。今大会は準々決勝から3戦連発の計7得点をたたき込み、2年ぶりの県制覇に導いた。

チームは2月の新人戦決勝で浜名に敗れた。悔しい敗戦をきっかけに力強さを身につけた。練習では体幹トレーニングを積極的に取り入れ、3月からは体作りに必要な「食トレ」を導入。1日5食を摂る選手も多く、神田もその1人だった。「3月から体重は1・5キロ増えた」。持ち前の体の強さにさらに磨きをかけ、苦杯をなめた県大会決勝の舞台で輝きを放った。

神田は「チームとして全国優勝が目標。個人としては毎試合ゴールを取って得点王を目指したい」と高らかに宣言した。2年ぶりとなる全国総体の舞台は、北海道。Jクラブも注目する点取り屋は北の大地でも大暴れする。【神谷亮磨】

○…清水桜が丘は、4年ぶりの大舞台をつかみきれなかった。後半24分、ショートカウンターからMF相川郁也(3年)が先制点。しかしその後の決定機で2点目を逃すと、技巧派軍団の反撃に屈した。同ロスタイムに同点、延長前半に決勝点を許し敗戦。DF岡谷龍斗主将(3年)は「先制点までは良かったけど、決めきる力が足りない。この経験を生かしていきたい」と顔を上げた。