J2藤枝DF工藤孝太(19)がリーグ戦初先発する可能性が出てきた。11日のアウェー大宮戦に備え、9日は午前練習で調整。浦和から今季期限付き移籍で加入した若手は3バックの主力組でプレーした。7日の仙台との天皇杯2回戦ではフル出場。中3日での強行出場にも意欲的で、「ずっと準備はしてきた。自分のやることをやって勝ちたい」と、はつらつと話した。

正確なキックが武器のレフティーで、本職はサイドバック。天皇杯ではサイドハーフとして出場した。不慣れなポジションでも持ち前の積極的な攻撃参加を披露。運動力が求められる位置でサイドを上下動し、アピールした。工藤は「90分間走りきって戦うことができた」。試合は0-1で惜敗するも、J1経験が長い相手と互角以上の戦いを演じ、手応えをつかんだ。

大宮に対する対抗心は誰よりも強い。中学から浦和の下部組織で育ち、当時から「絶対に負けたくない相手だった」。試合当日は知人らも観戦に訪れる予定で、自身の成長を見せる絶好の舞台でもある。

昨年はU-20W杯のアジア予選で日の丸を背負った。だが、本大会の出場メンバーには選ばれなかった。落選した悔しさは、さらなる成長へのモチベーションになっている。「(W杯に)行った選手より成長して、パリオリンピックとA代表を目指していきたい。次は悔しさをぶつける試合にする」と工藤。初先発のチャンスで猛アピールしながらチームの3試合ぶり勝利に貢献する。【神谷亮磨】