静岡学園が2年ぶり14度目の栄冠を手にした。

藤枝東との名門対決で2-1。MF庄大空(はるく、3年)が右足ミドルで先制すると、同点で迎えた後半にFW宮嵜隆之介(3年)が決勝点を挙げた。今大会はJ1川崎F入りが内定しているFW神田奏真(3年)ら主力数人がケガで不在。チームの窮地を層の厚さでカバーし、今夏の県総体に続く「2冠」を達成した。全国選手権(12月28日開幕)の組み合わせ抽選会は20日に行われる。

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チームの窮地を一丸で乗り越えた先に最高の景色が広がっていた。静岡学園は名門対決を制し、2年ぶりの栄冠。わき出てきた感情は安堵(あんど)感だった。川口修監督(50)も「勝てたことが全て」。今大会はエース神田ら主力数人がケガで不在。一抹の不安を抱えた中で勝ち抜いた選手らも胸をなで下ろした。

シンデレラボーイが勢いづけた。前半15分、中央でボールを受けたMF庄は迷わず右足を振った。「いいコースに打てた」。大会直前にAチーム入りした伏兵の今大会3点目で先制点。1度は同点とされるも、突き放した。後半26分に中央からの連係でFW宮嵜が右足で決勝点。「イメージ通り」と白い歯をみせた。今夏の全国総体でメンバー入りもできなかった2人の得点で全国切符を獲得。選手層の厚さを証明した。

決勝の3日前には延期されていたプレミアリーグの試合を控え組中心で臨んだ。結果は1-2。ただ、無駄な敗戦ではなかった。指揮官は同試合に主力組も帯同させた。「Bチームがファイトした姿は刺激になったはず」。控え選手が必死に戦う姿を目に焼き付けた庄も「次は僕らの番だと思った。今日は絶対に負けちゃいけなかった」と仲間の奮起を力に変えた。

大会前に選手間で確認した思いは1つ。「ケガ人を全国に連れいく」。苦しい戦いの中で生まれた一体感は最大の収穫だった。主将のGK中村圭佑(3年)は言った。「誰が出ても同じクオリティーを出せるのが静学。目標は日本一です」。全国では本気のチームで頂点を目指す。【神谷亮磨】

○…卒業後の川崎F入りが内定しているエース神田も2年ぶりの優勝を素直に喜んだ。試合はスタンドで観戦し、「みんなが全国につないでくれた」と感謝した。9月上旬に両足第5中足骨骨折で手術。今大会は水くみなどの雑務も率先して行い、裏方としてチームをサポートした。既に練習は部分合流し、今月下旬の完全復帰を目指している。再びのレギュラー争いも覚悟の上で「全国ではチームのためにプレーしたい」と決意を新たにした。