G大阪監督として10シーズン、遠藤と共闘した西野朗氏(68)が、特別な「ヤット」への思いを語った。

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いつまでもボールを蹴っていそうな選手だから、本当にやめるのかという思いがある。ガンバで10年、一緒にやってくれたけど「代表のヤット」でもある。選手は数多くいるけど、ヤットはやっぱり特別だった。

彼のサッカー感、スタイルは、魅力的なところがすごくあるけど、影響力もすごい。周りの選手が「ヤットのレベルに追いつかないと」と頑張って力を伸ばしたし、周りが伸びたことで「違うヤット」にもなれたと思う。相乗効果が出せる特異な存在。その中で戦略を考えて(誰からも)追いつかせない(存在)と思っていた。自分でもヤットの中に入り込めない感じ。影響されることも多かった。

誰にも代えられない。本来、選手を評価したがらない自分だけど、ベストプレーヤーは? と聞かれればヤットの名を挙げる。ガンバでは08~10年が特に印象深い。(優勝した)ACLや、厳しい中で天皇杯を連覇(08、09年度)した強烈なイメージは残っている。

ただのボランチではなく「ボランチの進化形」をつくってきた選手でもある。展開力や構成力はもちろん魅了するゴールも。また、立ち姿が何とも言えないものがある。サッカーの申し子みたいな感じがしてならない。皆さんも絶賛すると思うけど、そういう選手と一緒にやれて幸せでした。

今の日本代表も、ヤットがつないできたことが大きいと思う。彼が引っ張ってきた。それは誰もが認めるところでしょう。指導者としても本当に楽しみ。ヤットのチームづくり、楽しみでしかない。これからのヤットのサッカー人生を応援したいし、オリジナルな指導者になってくれることを期待している。(談)