FC町田ゼルビアの黒田剛監督(53)が、9日にホームで迎える鹿島アントラーズ戦について「序盤のポイント」となる一戦と位置付けた。

7日に町田市内での練習後にメディア取材に対応した。2節終了時点で1勝1分けで並ぶチーム同士の対決。得失点差で首位に立つ鹿島は、過去に町田を2度指揮したポポビッチ監督が率いており、堅守をベースにさまざまなセットプレーを武器にする。日本代表でも活躍するMF佐野海舟は、米子北高を卒業後に町田に加入し、2019~22年までの4シーズンを過ごした。

一方で鹿島から今季加入したDF昌子源が町田の主将を務めている。その昌子は負傷により開幕から2試合を欠場しているが、復調状態にあるという。開幕から3戦目は、ゆかりのあるチーム同士のカードとなった。

黒田監督は「志向性も含め似ている」と鹿島評を口にした。その上でパワーのある選手がそろい、伝統的な勝利への強いメンタリティーを持つ相手について言及。「強い鹿島を取り戻そうと奮起している。プライド対プライドのぶつかり合い。前半立ち上がりからバチバチのゲームになる。チャレンジャー精神を持って、ひけを取らないようにしたい」と気持ちを高ぶらせた。

前節はアウェーで名古屋グランパスを1-0と下した。失点しないチームづくりを掲げる黒田監督も「理想的な形」と大きな手応えを得た。その流れでの鹿島戦。「ここを食って初めて自分たちの順位も上がる。洗練されている相手であり、自分たちがどれだけ立ち向かえるか、意味のあるゲームになってくる。まだ3節だけど、今後へ大きなポイントになる」と強い意欲を口にした。

タレントぞろいの鹿島には、青森山田高時代の教え子で日本屈指のパサーの柴崎岳もいる。「岳と佐野海舟のダブルボランチは相当クオリティーが高い」と警戒する。相手の強さを理解するからこそ「首位の鹿島に勝てたら、今後へ自信が持てる」との思いを強くする。

今季の目標は5位以内。高みを目指すチームにあって、鹿島という大きな山は今季を占う上で重要な試金石になる。