サッカーの関西学生リーグで元日本代表監督の加茂周氏が率いる関学大が好調だ。8日までの後期第8節を終え、首位を走る関大と勝ち点2差の2位につけて、優勝争いに加わっている。

 リーグ最多となる27度の優勝を誇る母校の再建のために2007年に監督就任。相手選手を高い位置で囲い込み、ボールを奪ったら素早く前線へと運ぶ加茂サッカーの代名詞「ゾーンプレス」を徹底的にたたき込んだ。戦術は浸透し、06年には入れ替え戦で1部残留と低迷したチームを2年連続で4位に引き上げ、3年目となる今季の19試合16失点はリーグ最少の堅守だ。

 豊富な運動量が要求される戦術のため、練習では走り込む量が格段に増えた。DF飯田は「夏場でも10キロ走った。前の監督の時と比べて走る量と練習の質が上がった。みんなの意識も変わった」と話す。「相手が嫌がるくらいプレスをかけろ、ハードワークをしないのは駄目と監督から言われる」とはFWの阿部。

 終盤戦に入ったリーグは残り3試合で、関大との直接対決もある。報道陣にはコメントしない方針を貫く監督に代わり、飯田は「優勝が目標なので信じてやるだけ」と意気込んだ。(共同)